バイト中英国王室貴族に遭遇、拝謁仕る。

午後の昼下がりの午後、三田付近を走行中ただならぬ大量の警視庁警察官によるものものしい警備が桜田通りの両端を埋め尽くす。群集は行き場なく袋小路に追い詰められ阿鼻叫喚の生き地獄、怒号が飛び交いそれを制しようとせんとする官憲の犬たちが振り下ろす残酷なる警棒の餌食となった群集は暴徒と化し、なんてことは全然なく、
日本橋方面の車線は大渋滞、逆方向の車線は車一台通るでもないまるでゴーストタウンの様相。ってほどのことはないが、なにしろなんの説明もなく1メートルも進めない、完全に停止した状態で待たされること数分、さすがにシビレを切らしたドライバーがクラクションを高らかに打ち鳴らす。打ち鳴らす。
と、反対方向から慶応大学のカドを曲がって一群の車列。朝のニュースでエゲレス皇太子チャールズ夫妻が来日していることを知っていた小生ことわたくし大英帝国の正当貴族の血を大量にひくと言われるこのアイスマンことわたくし、小生が、「たぶん朝のニュースで言っていた皇太子だろ」と予見したとおりであった。わたしにはなんでもお見通しなのだ。高級車に乗った金髪のおばはんがチラっと見えた、あれはきっと例のカミーラ婦人、エドガー・アラン・ポーの小説にも登場した女吸血鬼、カミーラだ。まちがいない。

そいつらが行き過ぎると、さっきまでの渋滞がウソのように、すんなりと車のエンジンは高速に回転し、その場を離れることができたのであった。

あれは、なんだ、その、パレードとかそういったたぐいのかんじでなく、ただ移動してるだけなかんじでした。あれがもしダイアナさんだったら、そうはいかぬ。大群衆が道の両端を埋め尽くし、矮小で貧相な東洋人が目を吊り上げ反っ歯をむき出し小旗を打ち振りキーキーとけたたましい声を上げていたに相違ない。キャミーラ、おぬし、キャナァ〜〜リ、人気ナス!!同時になんとニッポニアニッポン人種のゲンキンなこと。
しかしあいつら、なにしに来てんだ?ただの観光か?これから秋葉原行って電化製品大量に買い込むのかな?