しょこたん貪欲ツアーin福岡

雨のため地下道で試したストリートだったがことごとく警備員に止められやむなく撤退。
帰路に着くが悶々とした気分。フラストレーションが溜まってる。
「そうだ福岡行こう」思い立ったらやむにやまれぬ気持ち。おれは走り出した。
走り出したら止まらない。小一時間もすると。福岡に。
「遂に来た。福岡に。導かれるまま・・・・・これは運命・・・・すでに決められたことだったのか?」
福岡といえば屋台。開演にはまだ間がある。とんこつラーメンを食さねば一生の不覚というもの。
おれは屋台を探して福岡市内を徘徊する。先日も雑学王で「福岡には屋台用のコンセントが道端にある」というのをやっていた。
コンセントを探せば必然的に屋台に行き着くというもの。
「コンセントコンセント・・・・・・」つぶやきながらウロウロしていると・・・・・
「兄ちゃん、いいコンセントあるよ」
狭い路地の陰から手招きする男。
渡りに船とはこのこと。おれは男に手招きされるまま路地の奥へ。
行き止まり。暗い影から出てきたのは見たところ15,6才だろうか。一見まだ中学生くらいにしか見えないコンセントだった。
「オイオイ、冗談だろうこんな年端もいかぬコンセントを・・・・・なあコンセント・・・・君はこんなところにいちゃダメだ。帰んなさい」
「余計なことは言わないでもらおうか。ウチの大切な商品だ。買うのか買わないのか」
男がスゴむ。
おれは少し考えてから「よし。買う。おじさんと一緒に来るんだ」男に何枚かの万札を渡しおれはコンセントを掴み走り出す。
コンセントにしょこたんを見せてやる。そう決心したのだ。しょこたんを見ればこのコも変わる。きっと。
会場に着く。「しょこたん!!しょこたんは!?オイおまえしょこたんをどこへやった」
道にたむろする人誰彼なく襲いかかり胸倉をつかみ激しく揺さぶり詰問する。
何人目かに掴みかかるとそいつは「しょ、しょこたんなら・・・・今弾丸トラベラーに出てますよ」
驚くべきことを。なんと・・・・・・これが電波という新しい発明のなせる業か?同時間に2箇所に存在するという。
おれはヴォネガットの「タイタンの幼女」という小説を思い出した。タイタン・・・・・そうあの爆笑問題の太田さんが大好きな小説。所属事務所のタイタンのネーミングもそこからとった。
木星の衛星、タイタンに現れる幼女・・・・・それは幼い頃のコンセントだったのか。
おれは手のひらの上のコンセントを見詰めた。