真説・沢尻エリカ騒動

世間を大いに騒がせている例のエリカ様の映画初日舞台挨拶での倣岸不遜な態度のわけですが、キャラを演じているからだ、話題作りだ、など諸説憶測が飛び交っているようです。沢尻さんのHPでの謝罪により一応の決着をみようかという方向のようですが、いまだにやはりあの沢尻さんの一連の行動の謎は解明されないままです。キャラ作りにせよ話題作りにせよ、沢尻さんにトクになることなどなにひとつないわけですから。私の察するところ、やはりあの日一日めざましテレビからラジかるを経て舞台挨拶に至るまでの沢尻さんの表情の変遷を思い返しますとそこには怒りの蓄積が見て取れるわけです。それまで百を越えるキャンペーンを精力的にこなしてきながら最後の最後でブチ壊したとも言えるあのネガティブな態度、一体そこにはなにがあったのか。なにしろフリーペーパーの取材まで受けたと言うほどですから今度の新作映画には並々ならぬ思い入れがあったはずなのにああそれなのに。
このほど私は幸運なことにあの日一日のエリカ様を行動をともにした人物から重要な証言を得ることに成功いたしました。その証言をもとに私のプロファイリングを加味し最大限事実に即したかたちでエリカ様の心の変遷を小説形式で克明に再現し辿ってみようと思います。
 
ERIKA 命燃え尽きるまで』
その日はエリカにとって特別な日だった。エリカの主演する新作映画の公開初日なのだ。長かった過酷なキャンペーンの日々も今日で終わる。「さあラストスパート!がんばろう!」
ひとつめのキャンペーンは早朝からフジの「めざましテレビ」への出演だ。MCの大塚範一さんはじめ高島 彩アナ 、伊藤利尋アナらがおおげさにエリカを迎えてくれる。気分がいい。自然に笑顔が出る。この日誕生日の大塚さんにプレゼントを渡す。「今日はコレ抱いて寝ます」。感激してくれたようだ。エリカのための時間が残りわずかとなり「みんな聞きたいこといまのうちに」大塚さんの言葉に我先にと挙手する高島アナら。伊藤アナから「沢尻会って、ホントにあるんですか?」高島アナから「エリカ様の弱点て、なんですか?」
エリカの笑顔がこわばった。このふたつの質問は、ここ数日のキャンペーン期間で何度となく繰り返しされてきた質問だ。もういいかげんウンザリだ。先日「胴元兄弟」でも聞かれた。同じフジの番組ではないか。あんなにファン面しながら、見ていないのだろうか?さっきまであんなに歓迎してくれた大塚さんらの態度が急に空々しいものに思えてきた。「私に聞きたいことなんて、ホントはなんにもないんじゃないだろうか?」「チヤホヤしてくれているのもただ売れっ子の女優である私にであって、ほんとの私には誰も興味なんかないんじゃないだろうか?」
心に一抹のイヤな感情の萌芽を感じつつそれでも笑顔でスタジオをあとにした。
次のラジかるへの出演の移動中、さきほどからのイヤなかんじは消えるどころか膨らむ一方だった。いつもならたいして気にしない。恋人に電話して声を聞けばもう忘れてしまう。ところがその恋人は数日前から海外へ行っており連絡が取れない。エリカは先ほど感じた疑問を誰かに聞いてほしかった。「そうだ翔子に電話してみよう」
翔子とは中川翔子。共にまだ無名の駆け出し、アイドルの卵だった時代、CSの「アイドル道」という番組で共演していた。その後お互い方向が違い翔子はマルチタレント、エリカは女優として脚光を浴びるようになり、普段会うことも久しくなくなっていた。
「翔子なら・・・・いつもギザの意味とか、ワンパターンの質問を何度も繰り返しされている。翔子ならきっとエリカの気持ちわかってくれる」
ケータイから懐かしい翔子の声が聞こえてきた「エリカ!どうしたんお!?ギザ久しぶりお!!」
「翔子!久しぶり〜〜、『しょこたんカバー×2』、オリコン5位なんだって?すごいじゃん!!最近すごい活躍だよね。いつも見てるよ」
「まりがと〜〜おっおっ!!ギガントウレシス」
「それでね、翔子・・・・・・」
「なんお?でもエリカの曲は1位だったお。エリカにはかなわないお。」
「え?ああ・・・・・あれは私じゃないから。ERIKAっていうアーチストだから」
「しようこがブログとかラジオでギザガンバって宣伝しても、やっと3位だお。でもエリカはなんにもしてないのに簡単に1位だお。ズルいお。不公平だお」
「・・・・・・・・・・」
「バカにするために電話してきたのかお?負けないお。しようこ沢尻会に対抗してダラ尻会を作ったんお。いつか沢尻会つぶすお」
「翔子、いやだ、沢尻会なんてありゃしないって、翔子が一番よく知ってるじゃない。あんなのマスコミが勝手に妄想して・・・・・」
「負けないお 負けないお。つぶすお。絶対。沢尻会つぶすお」
エリカは混乱した。何を言っているのだろうか?私がこんなにありもしない沢尻会に関する質問で不愉快な思いをしているというのに・・・・・・・翔子は一体・・・・・・・・・?
その時だった。電話の向こうでクスクス忍び笑いを漏らす翔子の声を聞いたのは。
「私を弄んでいる!?からかっているの!?あの翔子が!?」
エリカの中で何かがはじけた。方向は違えど同じ過酷な生存競争の芸能界でがんばっている盟友として、しょこたんのことはいつも心の励みにしてきた。そのしょこたんがエリカに牙を剥いて襲い掛かってきたのだ!!
「つぶすおつぶすお。沢尻会つぶすお。しようこエリカの弱点知ってるお。それバラすお」
「翔子・・・・・・一体何を言ってるの?」
「しようこ見たんお。『アイドル道』でコスプレ対決したとき、エリカがズルしてMCのアンタッチャブルの山崎さんに休憩時間になんかトイレでイヤらしいことして・・・・・・・それで山崎さんはエリカのチームを贔屓したんお。」
 
それからあとのことは記憶にない。気がついたらエリカはラジかるの汐留めスタジオで中山ヒデらと対峙していた。もうエリカの顔からは笑顔は消えていた。
そして悪夢の舞台挨拶。エリカはまわりの誰も彼もが自分に敵意と悪意を抱いていると思い込み 富田元フジアナが何を訊いてきてもそれが自分を陥れるトラップだと勘ぐるようになっていた。
すべてはしょこたんのほんのささやかなイタズラな心・・・・・・・それがエリカ様を結果的に破滅へと追い込む最大の要因であったとは・・・・・・