さや侍

BSにて視聴。なんなん?コレ。つまんなすぎる。どこにも面白いところがない。こんなはずない。あのお笑いの神であるまっちゃんが、笑い要素ゼロで、こんな大掛かりなセットで、大勢の人を使って、こんなクソ映画を作るわけがない。なにかあるはずだ。
とにかく居心地が悪い。見ていて恥ずかしい。苦痛しかない。まっちゃんは何を考えてこの作品をぼくらの前に呈示したのか。
ぼくは録画したさや侍を繰り返し繰り返し見直した。何度も何度も。
気がつけば何時間が経過しただろうか。ゆうに二昼夜は経っていただろう。手元のカウンターでは223回目の数字が。
約2日、飲まず食わず、眠らず、トイレにも行かず、大便小便はその場に垂れ流し、身じろぎもせずぼくは見続けた。死の一歩手前に来て初めて、ぼくに一筋の光が差した。ついに理解した。ぼくはまっちゃんの深い愛、深い思慮をやっと理解した。
まっちゃんは、ぼくらに試練を与えた。この見るのが苦痛なだけのクソ映画をもって、ぼくらに真理というものがなんであるか、試練の末にある悟りをお与えくだすったのだ。
そして、ぼくは223回目の視聴のエンドロールに「うどんすすり指導 ほっしゃん」のクレジットを見て、初めて笑った。
笑い転げた。垂れながした大小便のなかをのたうちまわって。そして思った。
ぼくの夏休みを返せ」と。