草薙さんタイーホ

草薙氏は逮捕のとき、「なぜ裸になってはいけない」と叫んだそうだ。果たしてその問いに対する答えは、見つかったのだろうか。
おそらく・・・・・・深夜の六本木、巨大なビル群に囲まれた公園の真っ黒いしじまの中、その問いだけが虚空に空しく投げ出され、問いに答える声はなかったのではないだろうか。
いつの世にも人々は問う。「なぜ私たちはここにいるのか」「なぜ私たちは存在するのか」
だがその問いに対して答えられることはない。答えは風の中ただ吹かれて舞っている。
語ることなく話している人。
聞くことをせず聞いている人。
聴かれることのない歌を書いている人達。
だれも沈黙の音を破ろうとしない。

「おろか者」僕は言った「あなたたちは知らない
癌みたいに沈黙が育つことを。
教えてあげる。導いてあげる」
でも雨粒みたいに僕の言葉は落ちて行き
こだました,
沈黙の井戸の中で。

人々は頭を垂れ祈る,
彼らの作ったネオンの神に。
ネオンは警告の言葉を映し出す。
ネオンが作り出した言葉はこう言っていた
預言者の言葉が地下鉄の壁に書いてある。
安アパートの玄関にも。」
そしてネオンはなにかささやいた,
沈黙の音の中で。
 
サウンド オブ ミュージック〜P・サイモン。ちがうか。