ジョングリ

女性セブンの見出し
秋葉原無差別17人殺傷 アキバ系犯人とやじ馬不気味な共鳴」
週刊文春
「被害者をケータイで撮りまくるアキバ系のイヤな感じ」
・・・・それっておまいら報道が常日頃していることと同じことなんだけど。わかってて言ってんのか全然気付いてないのか。
シロートが撮る衝撃映像がイヤならもう一切自分とこで使わないんだろうな。そのテのニュースや「衝撃映像100連発」的な番組も金輪際見ないんだろうな、と。
 
私はこの疑問をもって当該出版社にハンディカメラ持参で出向き、編集部にいた大柄な中年の記者にむかってこの質問を投げかけてみた。するとその記者はまず「なに撮ってんだゴルァ!!」と吼え、私に向かって突進してきた。ハンディカメラを取り上げようとする記者、私は取られまいともみ合いになる、そうしながら「秋葉原のやじ馬と、あなた方とどう違うんですか?答えてください!!」と問い詰める。すると記者は「どうって、違うに決まってるだろ!!我々はジャーナリズムだ!!」おれは「いや、行為自体は同じじゃないか、って言ってるんです」
記者の動きがハタと止まった。おや?と思い記者を見るとそいつの目は虚空を見詰め、茫然自失とした表情で「そ・・・・・・そうだ・・・・たしかに・・・・・俺達は同じだ・・・・・おれは一体今まで何を・・・・・・お、おれは一体何者だ?・・・・・・おまえ、おまえは?おまえは誰だ。おれのお父さんか?違う?じゃあ・・・・・お、お母さんなのか?お、お母さんなんだな。お母さん・・・・会いたかったです。や、やっと会えた・・・・・・・・おか〜〜さあ〜〜〜ん!!」
アイデンティティを喪失した記者はすでに正気ではなくなっていた。私はそいつに押し倒される。「ママァ、ママァ!!」さけびながら男はおれの服を凄まじい力で引きちぎり、ビーチクに吸い付いてきやがった。「ママァ!!ママァ!!」
そいつはいつまでもおれのビーチクに吸い付き、離れようとはしなかった。
あの時からずっとおれの左のビーチクには大柄な中年男が吸い付きぶら下がっているんだ。